ギャラガ紛争……太陽系の辺境で繰り広げられている、惑星侵食生命体からの一方的な防衛戦。
その絶望的な戦況が故か、主要国家は大規模な隠蔽工作によって情報を秘匿。
人類はそれとは知らず、薄氷の如き平和を謳歌していた。
特務機関AGADは、その活動の一切を地球外に置く、国連管轄の秘密武装組織である。
対ギャラガ戦線として組織された彼らは、太陽を中心にエッジワース・カイパーベルト最内枠を最終防衛ラインと設定、数百万個単位で敷設した時空変動探知機によって日々侵略者の動向に目を光らせている。
有事の際はアルテと呼ばれる雌体型クローンを前線に配備、制宙迎追撃兵装の時空間跳躍戦闘機 AEf-7 ブロウニードルでギャラガの迎撃、掃討を行う。
アルテは個々の人格が与えられておらず、その扱いは備品に等しい。
消耗戦に陥りがちな対ギャラガ戦にあっては仕方の無い選択といえるが、そもそもその出自が不明な点、サイバネティクスに既存の技術にないものが含まれている可能性など、AGADが極秘機関であることと何かしらの関係があると考えられている。
今現在、AGADのメインシステムがはじき出したギャラガ殲滅の可能性は1%に満たない。人類は、今なお、静かに試され続けている。
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